【初心者向け】違いが判ってないと癌になる可能性も!?アーク溶接とTIG溶接とガス溶接の違いをわかりやすく解説
こんにちはmasaです
今回は新しく現場に入る方や、とにかく現場が忙しい中堅の方が混同してしまう溶接の違いに関して解説致します。
「些細な違いだからどっちでもいいでしょ?」なんて思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、わからないままだと肺癌の原因になる可能性もありますのでしっかり覚えておきましょう。
工場などの現場で使われている溶接には主に3種類あります(厳密にいうともっともっと溶接には種類がありますが、配管工事に使われるポピュラーなところを解説したいと思います。)
良く使われる溶接にはアーク溶接とTIG溶接とガス溶接があります。名前だけだと覚え辛いので、この3つを同じ切り口から比べてみたいと思います
アーク溶接(arc wekding)
この写真のように金属の棒で、火花を飛ばしながら溶接してたらアーク溶接です(ものすごく平たく言えばですよ)
正確に言えば「被覆アーク溶接」ですが現場では縮めてアーク溶接と言われます。
母材(くっつけたいもの):鉄鋼
使用するには:安衛法第59条「アーク溶接」に定める特別教育
電極:溶極式(消耗式)(私は溶極式より消耗式って言い方の方が好きです。わかりやすいし、端的に特徴を表しているので。)消耗式とは電極自体が解けながらくっついていくということです、続けて溶接は出来ずに定期的に電極を新しいものに交換しなければなりません。スティック糊をイメージすればわかりやすいかもしれません。
電源:必要
注意事項:この溶接法は気体になった金属(ヒューム)が発生します。非常に有害です。肺癌や気管支炎などになります。防じんマスクを絶対着用してください。
TIG溶接(TIG welding , Gas Tungsten arc wekding)
この写真のように片手で針金みたいなのを持って、溶接してて、火花が飛んでなければTIG溶接です(ものすごく平たく言えばですよ)、現場では「アルゴン溶接」って言われたりもします。シールドガスにアルゴンを使うからですので、厳密に言えばイコールではないですけど。ざっくり同じと覚えてください。
母材(くっつけたいもの):ステンレス、アルミ等非鉄金属
使用するには:安衛法第59条「アーク溶接」に定める特別教育
電極:非溶極式(非消耗式)電極自体は消耗しません。はんだ付けをイメージするとわかりやすいかもしれません。
電源:必要
ガス溶接
この写真のようにトーチ(回転寿司でサーモンを炙るガスバーナーの本気を出したような道具)をもっていて火花が飛び散っていたらガス溶接です(ものすごく平たく言えばですよ)。いろいろなガスを使いますがアセチレンと酸素が一番一般的な組み合わせです。
母材(くっつけたいもの):薄板や小径配管
使用するには:安衛法第83条に定める特別教育
電極:非溶極式(非消耗式)電極自体は消耗しません。はんだ付けをイメージするとわかりやすいかもしれません。
電源:不要
注意事項:アセチレンボンベと酸素ボンベを使用します。アセチレンは多孔質なものに液体アセチレンをしみこませているので縦置き(立たせて)で置いてください。酸素ボンベは寝かせてもいいです(但し転がらないように)
まとめ
現場に出ても混乱されてる方がいらっしゃいます。
正しい知識をつけて、事故を起こさないようにしましょう。
こなれてる感を出すには
下の写真のようなところを指でなぞって、「綺麗なビードだ、いい仕事してる」と言ってみてください。この部分に滑らかではないひっかかりがあったらダメな溶接です